前回、中卒でイラストレーターになりたい方向けの記事を投稿しましたが、その途中でこんな記述をしておりました。
実は私も、中学生の時に体調を崩し自宅に居ざるを得ない状態だったので、高校に行かずにイラストの仕事をしようか…と悩んでおりました。
今回はこの部分について、前回の記事の番外編として体験談をまとめました。
私の体験談ではありますが、同じように悩んでいる方がいれば何か応援のメッセージになれるかと思っております。
もしいま学生で、学校を辞めてイラストレーターになりたいと考えている人に届けば嬉しいです!
予兆の中学時代
私の母親は少し過干渉なタイプでした。色々と習い事を勧めてきたり、塾も小学1年生の頃から絶えず頻繁に通っていました。
小学生の時は楽観的で、
親の言うことに従えば良いや〜
と流されていたのですが、中学生になってから少し窮屈に感じるようになりました。
私は昔から勉強よりも、絵を描くのが好きでした。なのに中学生になって塾に通う時間がすごく長くなったのがとても苦痛でした。
だんだん限界が来てふとこう思うようになりました。
もうこれ以上勉強するのはイヤだ!
このまま難しい高校や大学に通ってしまえば、また勉強漬けの日々が続く…
でもそれを親に言うと怒られる…
とうとう中学2年生の終わり頃、これから高校受験が本格化するぞというところでひきこもりになってしまいました…。
きっかけは、冬に風邪で寝込んでいる時に
このまま勉強しなくていい日々が続けば…
と切実に願っていました。この風邪がきっかけで、その後が大きく変わってしまいます。
転落の中学卒業
体って不思議なもので、思ったことに無意識に反応するんですよね。
熱も下がってご飯もなんとか食べられるようになり回復したのですが、学校に復帰しようとすると、外に出られないほどの吐き気がずーーっと1日中おさまらないのです。
もうほんとにずーーっと。自分では全く拒否しているつもりはないし、
学校に行かないと、塾にも勉強しに行かないと…
と思っているのに体が思うように向かない。電車に乗っても1駅で降りてしまう。気持ち悪さがおさまらない。
通学中だけでなく家にいる間や、遊びに出かけるだけでも常に吐き気がしていて、ほんの少し気が楽になるのが絵を描く時間でした。
そんな状態のまま1年が経ち、中学を卒業しました。
中高一貫校だったので受験をせずそのまま高校生になりましたが、吐き気が治らず通学が困難になり1ヶ月ほどで高校は中退しました。
不安の高校時代
高校を中退してからは1年くらいひきこもりでした。昼夜逆転をしながら動画を見たり絵を描いたり、ラクに過ごしていました。ですがそれでも吐き気はずっと治らないまま。
病院で精密検査をしても異常はなく、「心身症」と診断されました。
心身症。病気というよりは、ざっくり言うと「学校に行きたくなくてお腹が痛くなるアレ」に名前が付いた症状です。
つまりストレス(学校や勉強)によって吐き気が引き起こされていたのです。
ただ学校を辞めてもだんだん吐き気はおさまらず、親子で1年ほど心療内科に通いました。
通っているうちに、勉強が嫌な事や絵が描きたい事などの自分が抑え込んできたことを打ち明けられるようになりました。
親もそれを快く理解してくれました。
でも学歴は中卒(高校中退)です。不安しかありません。しかも合計2年の空白期間は、自分への自信を無くす大きな要因でした。
今のことでも精いっぱいだけど、とはいえ中卒だと将来の自分が困る…。
唯一、得意なイラストで食べていくか…と考えもしたのですが当時は中学生がイラストで稼げる手段はほぼ無く、中学生の時点で稼ぎはありませんでした。
なので、やっぱり高校と大学は卒業しようと考え、詰め込まない程度に勉強を復帰しました。
体調はまだ悪かったので、ほとんど通学しなくていい通信制の高校に入り、塾は動画視聴で済むところにしました。
▼ちなみに、いま中・高校生の方がイラストで稼ぐにはココナラやSKIMAやTwitter(X)での有償依頼を募集するのがオススメです。
以下の記事ではその際のやりとりの例を紹介しているので、興味のある方は有償依頼を始めてみるといいですよ!
希望の大学時代、その後
通信制の高校を卒業して、なんと第1志望の大学に受かり、吐き気も年月をかけて徐々に弱まりました。
大学生の間にイラストの仕事を始めることができ、さらに社会人になってからは、中卒では入社できないゲーム会社やデザイン会社に入ることができました!
現役生より2年も遅れて入学しましたが、大学や会社に入ってからはその年齢差に何も問題を感じませんでした。
過干渉だった親も考え方が落ち着き、今ではとても仲良しな関係です。
今ようやく発症から10年以上かけて吐き気は全く無くなり、あの時のことを冷静に思い返せるようになりました。
心身症から吹っ切れるまですごく長い時間がかかりましたが、人とちょっと違う人生を送れたのでこれはこれで面白い人生になり、
この経験があったから今の自分がいる!
とポジティブに受け止めています。
中卒で焦って仕事を始めなくて良かったです。
勉強が嫌でも、ひきこもりでも、学歴があると将来の自分のためになるのを実感しました。
さいごに
高校を辞めて中卒になるのはとても大きな勇気が必要でした。
ですが高校を辞めたおかげでたくさんの困難を乗り越えられ、現状は何もストレスなく過ごせています。
これは私だけが特別なわけではありません。
もしいま、学校を辞めようと考えている方も、今は辛くても後から楽になれる時がきっと来ます。
そしてもし、「勉強したくないから、ひきこもっているから、中卒でイラストレーターを目指したい…」と考えている方は、考え直してみてください。
あまり思い詰めずに、「いまの辛い状態も人生の経験だ」くらいの軽い気持ちで乗り越えていけたら楽になれるかもしれませんよ!
辛い時こそ焦らず自分のペースで、時間はかかってもいいのでせめて高校は卒業してくださいね!応援しております!
▼ちなみにこちらは社会復帰したはいいものの、忙しくて絵を描く時間が無くなり焦り始めた方へ向けて解決方法をまとめた記事です!
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